松竹大歌舞伎 iichiko presents 大分公演(昼夜2回公演)

公演名 松竹大歌舞伎 iichiko presents 大分公演(昼夜2回公演)

イヤホンガイド
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同時解説イヤホンガイド
当日ロビーにて貸出
ご使用料:700円
日時 2019年4月25日(木)
昼の部 13:30開場(14:00開演・16:50終演予定)
夜の部 18:00開場(18:30開演・21:20終演予定)
会場 iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ
出演 松本幸四郎 改め 二代目 松本白鸚、市川染五郎 改め 十代目 松本幸四郎
中村梅玉、市川高麗蔵、大谷廣太郎、松本錦吾、澤村宗之助 ほか
演目 一、襲名披露「口上」
二、菅原伝授手習鑑「加茂堤」「車引」
三、奴道成寺
料金 【一般価格】
GS 12,000円 S 10,000円 A 7,000円 B 4,000円 C 2,000円
U25割引 A~C席半額 (U25割引の取扱いはiichiko総合文化センターのみ)

【友の会びび割引価格】
GS 10,800円 S 9,000円 A 6,300円 B 3,600円 C 1,800円

※びびとU25の重複しての割引はございません
※全席指定、未就学児入場不可
チケット発売
ことぶき会員先行1月19日(土)10:00~
たかさご会員先行1月20日(日)10:00~
うめ会員先行1月26日(土)10:00~
一般発売2月16日(土)10:00~
チケット取扱い
iichiko総合文化センター ホームページ
インターネット予約はこちら
iichiko総合文化センター 1階 インフォメーション097-533-4002
OBS大分放送事業部097-553-2509
ヱトウ南海堂097-529-7490
トキハ会館3階プレイガイド097-538-3111
トキハ別府店プレイガイド0977-23-1111
ローソンチケット(Lコード:83468)0570-000-407
チケットぴあ(Pコード:491-427)0570-02-9999
特別協賛 三和酒類株式会社
主催・お問合せ 公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団〔iichiko総合文化センター〕 097-533-4004
OBS大分放送事業部 097-553-2509
注意・備考 ・客席内での飲食は固くお断りいたします
・公演中止の場合を除き、一度購入されたチケットの変更および払い戻しはいたしません
・やむを得ない事情により、出演者等が変更になることがございます
・未就学児童の同伴はご遠慮ください。無料託児サービスをご利用ください。
 (要申込:4月17日(水)17:00まで。定員10名)
・無料託児サービスおよび車椅子席のお問合せ・ご予約はiichiko総合文化センターまでお電話でお申し込みください

あらすじとみどころ

口上 (こうじょう)

裃姿の俳優が舞台に並び、皆様に二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎の襲名披露のご挨拶を申し上げる華やかな一幕です。

菅原伝授手習鑑 (すがわらでんじゅてならいかがみ)

歌舞伎の三大名作の一つである『菅原伝授手習鑑』は、菅原道真の伝記を中心とした時代物で、道真(菅丞相)に仕える白太夫の三つ子である松王丸、梅王丸、桜丸が活躍します。この三兄弟が朝廷の権力争いの波に巻き込まれて敵味方に別れた末、それぞれの悲劇に見舞われます。
 加茂堤で、帝の弟の斎世親王に仕える舎人の桜丸(梅玉)が妻の八重(高麗蔵)と共に、親王(宗之助)と菅丞相の養女の苅屋姫の恋仲を取り持ち、二人は逢瀬を楽しんでいます。そこへ菅丞相と対立する左大臣藤原時平の家臣が登場し、親王と苅屋姫は恋仲を隠すために出奔します。菅丞相は、これが原因となって、時平の譫言により、流罪となります。
 吉田神社にて、菅丞相に仕える梅王丸(幸四郎)と菅丞相の流罪の原因を作った桜丸が互いの境遇を嘆く中、時平(錦吾)の参詣の話を耳にし、行く手を阻みます。そして、これを制する時平の舎人の松王丸(白鸚)や杉王丸(廣太郎)と争います。やがて、壊れた牛車から現れた時平を成敗しようと息巻く梅王丸と桜丸でしたが、逆にその威勢に身が竦んでしまいます。
 『加茂堤』では、斎世親王と苅屋姫の淡い恋や、桜丸と八重夫婦の瑞々しい様子を描く牧歌的な風情に包まれた前半から、二人を探す敵方の登場により緊迫感溢れる後半へと緩急ある展開がみどころとなります。『車引』では、松王丸と梅王丸の勇壮な荒事、桜丸の柔らかな和事、三兄弟の隈取に時平の公家荒の隈といった独特の化粧など、歌舞伎の醍醐味を満喫できる華やかな一幕をお楽しみください。

奴道成寺 (やっこどうじょうじ)

紀州の道成寺で行われる鐘供養に現れたのは、白拍子花子(幸四郎)。舞を奉納する花子ですが、その内に烏帽子が外れて、狂言師の左近が変装していたことがわかります。所化の勧めに応じて、鮮やかな踊りを披露する左近ですが、やがて鐘への執着を見せて、鐘に上がって周囲を睨みつけるのでした。
 歌舞伎舞踊の大曲『娘道成寺』の立役版と言われる『奴道成寺』。冒頭、白拍子花子の姿で淑やかに踊りながらも、途中で狂言師であることを見破られてからの左近の舞踊が眼目です。特に「恋の手習い」では、おかめ、大尽、ひょっとこの三つの面を次々と取り替えて、巧みに踊り分けるクドキがみどころです。舞踊の面白さをご堪能ください。

出演

松本白鸚 まつもと・はくおう

二代目 高麗屋 初世松本白鸚の長男。昭和21年に二代目松本金太郎を名のり初舞台、昭和24年に六代目市川染五郎を襲名し、昭和56年に九代目幸四郎を襲名。平成30年1月、2月に歌舞伎座で息子、孫と共に高麗屋三代襲名披露を行い、二代目白鸚を襲名。立役として時代物、世話物、新歌舞伎、舞踊など幅広い分野で数々の当り役を持つ。中でも『勧進帳』の弁慶は屈指の当り役のひとつで、平成22年8月には52年かけて全国47都道府県で上演するという偉業を達成。1000回公演は東大寺大仏殿前にて奉納上演。上演回数は1100回以上、今なお更新し続けている。この他にも時代物では『仮名手本忠臣蔵』の大星由良之助、『菅原伝授手習鑑』の松王丸。所作事では『積恋雪関扉』の関兵衛、『素襖落』の太郎冠者。近年は『魚屋宗五郎』の宗五郎、『盲長屋梅加賀鳶』の道玄、『筆屋幸兵衛』の幸兵衛といった世話物も数多く手がけ、独自の境地を示している。と同時に、長年、ミュージカルの舞台でも活躍し、『ラ・マンチャの男』では主演を半世紀にわたり演じ続けている。
平成17年紫綬褒章、平成21年日本藝術院会員。文化功労者。

松本幸四郎 まつもと・こうしろう

十代目 高麗屋 二代目松本白鸚の長男。昭和54年に三代目松本金太郎を名のり初舞台、昭和56年に七代目市川染五郎を襲名。平成30年に高麗屋三代襲名として、父の前名の幸四郎を十代目として襲名。清新な美貌とすらりとした風姿が生きる古典の二枚目や女方はもとより、演じる役柄は幅広い。殊に近年は『仮名手本忠臣蔵』の大星由良之助、『熊谷陣屋』の熊谷直実、襲名披露では『勧進帳』の弁慶など父祖の当り役にも挑み、成果を挙げている。また『女殺油地獄』の河内屋与兵衛や『恋飛脚大和往来』の忠兵衛など上方歌舞伎や和事にも積極的に取り組んでいる。さらには『江戸宵闇妖鉤爪』『陰陽師』など新作歌舞伎の上演にも情熱を注ぎ、評価を得ている。外部出演した劇団☆新感線の『アテルイ』から歌舞伎NEXT『阿弖流為』へと進化させたり、フィギュアスケートと融合させた『氷艶―破沙羅―』など、歌舞伎の新しい世界を切り拓き、次代の歌舞伎の担い手として大きな期待が寄せられている。

市川高麗蔵 いちかわ・こまぞう

十一代目 高麗屋 日本舞踊家の二世花柳泰輔の長男。大伯父は八世市川中車。昭和37年に初舞台の後、昭和46年に初世松本白鸚の部屋子となり、市川百々丸を名のる。昭和56年に二代目市川新車を襲名後、平成6年に高麗蔵を十一代目として襲名。若い時から時代物の赤姫や娘役などの女方で本領を発揮するが、目鼻立ちがしっかりとしているので、若衆の二枚目もよく似合う。好例なのが当公演の『菅原伝授手習鑑 加茂堤』で、今回初役の八重の他に斎世親王、苅屋姫も演じている。高麗屋のベテラン門人のひとり。

大谷廣太郎 おおたに・ひろたろう

三代目 明石屋 大谷友右衛門の長男。平成8年に初お目見得の後、平成15年に三代目廣太郎を襲名して初舞台。温和で飄逸な雰囲気が魅力で、歌舞伎座恒例の納涼歌舞伎の『弥次喜多』での旅館の亭主では持ち味を生かした役作りとなった。『盟三五大切』の虎蔵をはじめ世話物の鳶や男伊達に爽やかさがある。幸四郎が『勧進帳』の弁慶を初役で勤めた時以来、後見を任されるほどで幸四郎からの信頼も厚い。高麗屋の家とは親戚ということもあり、襲名には欠かせない花形の立役。

澤村宗之助 さわむら・そうのすけ

三代目 紀伊國屋 昭和53年に子役で初舞台の後、昭和56年に九代目澤村宗十郎の部屋子となり、二代目澤村宗丸を名のる。平成11年に三代目宗之助を襲名。子役時代から女方を中心に勉強を重ね、おっとりとした可憐な女方の印象が強いが、最近は『籠釣瓶』の花魁七越のように愛嬌と色気が求められる役から『助六』の並び傾城まで、品格ある傾城も勤めるようになった。また立役も町人から武士まで役柄の幅が広がっている。新作の個性的な役にも挑戦し、新境地を開いている。

松本錦吾 まつもと・きんご

三代目 高麗屋 二世松本錦吾の長男。昭和24年に初舞台の後、昭和28年に初世松本白鸚の内弟子となり松本錦彌を名のる。その後、昭和40年に三代目錦吾を襲名。同じく高麗屋の門弟の父は、女方として活躍したが、当代は時代物、世話物でも滋味のある立役を勤める。『仮名手本忠臣蔵 七段目』の九太夫や『籠釣瓶』の権八などでは欲深さを見せる一方で、『魚屋宗五郎』の父太兵衛では市井の人の悲しみや優しさを味わい深く演じる。長年、高麗屋一門を支える重鎮である。

中村梅玉 なかむら・ばいぎょく

四代目 高砂屋 六世中村歌右衛門の養子。弟は二代目中村魁春。昭和31年に二代目加賀屋福之助を名のり初舞台。昭和42年に八代目中村福助を襲名後、平成4年に四代目梅玉を襲名。年齢を重ねても時代物から世話物まで白塗りの二枚目がよく似合い、変わらぬ美しさと若々しさを見せながら、その芸の味と風格はより一層深められている。『勧進帳』『義経千本桜』『熊谷陣屋』の義経役はいまだ右に出るものはいないだろう。10月御園座で勤めた『与話情浮名横櫛』の与三郎では、瑞々しさを失わず、正統な台詞術で名台詞を聞かせた。『仮名手本忠臣蔵』の由良之助や『対面』の工藤など座頭役も演じる。