イベント案内

女優映画祭2008年8月8日(金)−10日(日) (3日間)iichiko総合文化センター
iichiko Space Be 映像小ホール
(OASISひろば21地下1階)

主 催・お問合せ :(財)大分県文化スポーツ振興財団 TEL:097-533-4004
大分市高砂町2-33 OASISひろば21 http://www.emo.or.jp/
企画:大分自主上映者会議 http://roundabend.exblog.jp/
フィルム・写真提供:松竹、フランス映画社、マツダ映画社

時代を魅了した女優たち
昔は、役者(スター)を見に劇場へと足を運んでいた
時代は、どんな「女優」を見つめてきたのか
女優は、どんな「時代」を見つめてきたのか
各国で各時代を映してきた「女優」と「映画」

華やかな女優たちの個性あふれる5作品
現代では希薄になりつつある「女優のまなざし」をご堪能ください

リリアン・ギッシュ
『東への道』

その他の出演/リチャード・バーセルメス、ローウェル・シャーマン、バー・マッキントッシュ ケート・ブルース、ダビッド・ランドー ほか 監督:D・W・グリフィス1920年/アメリカ/モノクロ/105分(1時間45分)/フィルム提供:マツダ映画社 16ミリフィルム/無字幕―無声サウンド版  活弁/斎藤裕子

小さな村で老いた母親と二人貧しく暮らす娘。ある日、都会のプレーボーイの甘い言葉に乗せられて未婚の母にさせられ、さらに不幸なことに、母親、そして愛児は病死してしまう。故郷を離れ、新たな村での平穏な生活。ほんとうの愛も芽生えた矢先、彼女の忌まわしい過去が暴かれる出来事が次々と舞い込む。
監督・グリフィスが自身の財政的窮状を救う為に大衆受けする題材をと映画化した。公開当時、ブロードウェイでは高級演劇並の入場料で一年以上続映されたという、まさに時代を代表するメロドラマ。リリアン・ギッシュが身体を張って挑んだクライマックスは圧巻!!

*字幕なし・無声映画サウンド版です。活弁でお楽しみください。

ジャネット・ゲイナー
『サンライズ』

その他の出演/ジョージ・オブライエン、マーガレット・リヴィングストン、ボディル・ロージング
J・F・マクドナルド、バリ・ノートン ほか
監督:F・W・ムルナウ/1927年/アメリカ/モノクロ/95分(1時間35分)/フィルム提供:マツダ映画社/16ミリフィルム/無字幕―無声サウンド版  活弁/斎藤裕子

湖畔の静かな村に暮らす一組の夫婦。夫は都会から避暑にやってきた美しい女に誘惑され、妻を殺すようにそそのかされる。夫のただならぬ様子にショックを受け恐れおののく妻。それを見て、夫は初めて自分の過ちに気付く――愛の復活劇。市電の走る大通りも、嵐に荒れる湖も、全てセットで撮影するという試みが驚異的。
妻役、ジャネット・ゲイナーの愛くるしい魅力と確かな演技力で、公開当時、「映画界で最も巧であり、未来のある女優」と評された。

*字幕なし・無声映画サウンド版です。活弁でお楽しみください。

マレーネ・ディートリッヒ
『嘆きの天使』

その他の出演/エミール・ヤニングス、クルト・ゲロン、ロザ・ヴァレッチ、ハンス・アルバース、カール・H・バフィ ほか
監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ/1930年/ドイツ/モノクロ/107分(1時間47分)/フィルム提供:マツダ映画社/16ミリフィルム/無字幕― トーキー・活弁の共演  活弁・斎藤裕子

悲劇か、喜劇か――真面目な高校教師がキャバレーのダンサーの歌と色香に狂ってドサまわりの道化役者に身を落とす。前半はコメディタッチでテンポよく進むが、後半はそれが一転、見ごたえあるドラマとして展開していく。
ハリウッドの監督・スタンバーグが、ドイツの無名舞台役者―ディートリッヒを世界に君臨する映画女優にまで磨き上げた。サイレントからトーキーに移行する時代、美しいディートリッヒの歌声は「トーキーでなくては作れない名作」として当時の観客を魅了した、映画史に残る名作。

*字幕なし・無声映画サウンド版です。活弁でお楽しみください。

原 節子
『晩春』

その他の出演/笠智衆、杉村春子、青木放屁、宇佐美淳、三宅邦子、月丘夢路 ほか
監督:小津安二郎1949年/日本/モノクロ/108分(1時間48分)/フィルム提供:松竹株式会社/35ミリフィルム

娘が婚期を逸しかけていることが心配な父親は、しきりに見合いをすすめる。しかし、娘は「早くに母親が亡くなり、自分が結婚したら父親はひとりで暮らしてゆけるだろうか」と心配してなかなか承知しない。
原節子が初めて小津映画に出演した記念すべき作品。一作目にして娘役を好演し、貞淑であれといわれた古き良き日本女性の心が伝わる、日本映画史上に残る傑作!

アンナ・カリーナ
『はなればなれに』

その他の出演/サミー・フレイ、クロード・ブラッスール、ルイザ・コルペイン、エルネスト・メンゼル
ほか監督:ジャン=リュック・ゴダール/1964年/フランス/モノクロ/96分(1時間36分)/フィルム提供:フランス映画社/35ミリフィルム

対照的な性格だが親友同士の二人の青年が同じ少女に恋をし、あろうことか3人で大金強奪をたくらむ。
モノクロ画面にキラキラと輝くヒロイン アンナ・カリーナの可憐さ。彼女が自ら振り付けしたという3人の〈マジソン・ダンス〉シーン。ルーブル美術館を3人で駆け抜ける、映画史に残る名ショット――「ゴダールがこんな映画を作ったのか」と嬉しく驚かせてくれる、楽しさと悲しさがキュートにつまった、愛さずにはいられない作品。

上映スケジュール

  10:30~ 12:50~ 15:05~ 17:20~ 19:30~
※日曜は19:20~
8月8日(金) 10:30~12:17
(1時間47分)
『嘆きの天使』
12:50~14:26
(1時間36分)
『はなればなれに』
15:05~16:40
(1時間35分)
『サンライズ』
17:20~19:08
(1時間48分)
『晩春』
19:30~21:15
(1時間45分)
『東への道』
8月9日(土) 10:30~12:05
(1時間35分)
『サンライズ』
12:50~14:38
(1時間48分)
『晩春』
15:05~16:50
(1時間45分)
『東への道』
17:20~18:56
(1時間36分)
『はなればなれに』
19:30~21:17
(1時間47分)
『嘆きの天使』
8月10日(日) 10:30~12:15
(1時間45分)
『東への道』
12:50~14:38
(1時間48分)
『晩春』
15:05~16:52
(1時間47分)
『嘆きの天使』
17:20~18:56
(1時間36分)
『はなればなれに』
19:20~20:55
(1時間35分)
『サンライズ』

チケット情報

2008年7月5日(土)販売開始

  • 前売券は8月7日(木)正午まで販売
  • 1作品鑑賞券(日時指定なし)  前売800円 (当日1,000円)
  • おひとり・3作品鑑賞券 前売2,200円(日時指定なし 但し、一度(上映回)に複数名でのご利用はお断りいたします)
    ※会場窓口にてご入場チケットへのお引き換えが必要です
  • おひとり・5作品鑑賞券 前売3,500円(日時指定なし 但し、一度(上映回)に複数名でのご利用はお断りいたします)
    ※会場窓口にてご入場チケットへのお引き換えが必要です
前売券取扱い
  • iichiko総合文化センター インフォメーション(1階)  TEL:097-533-4006
  • チケットぴあ Pコード 479-713
    (電話予約)TEL:0570-02-9999 トキハ会館/ファミリーマート各店/iichiko総合文化センター
  • ローソンチケット Lコード 85300
    (電話予約)TEL:0570-000-777 別府ヱトウ南海堂/ローソン各店
  • 大分自主上映者会議 TEL:090-7987-4801(榎園)
  • シネマ5
当日券取扱い
  • 映像小ホール(OASISひろば21 地下1階)

[当日券有無のお問合せは下記まで]
◆開催前日8月7日(木)までは⇒TEL:097-533-4004(文化事業課)
◆開催期間中8月8日(金)以降は⇒TEL:097-533-4006(インフォメーション)

〈注意事項〉
◆前売3作品鑑賞券及び前売5作品鑑賞券をお買い求めのお客様は、会場窓口にてご入場チケットへのお引き換えが必要です。
一度(上映回)に複数名での利用はご遠慮ください。
◆開催期間中、どの日時(作品)でも鑑賞可能ですが、定員〈80名〉に達した回(日時)は、前売券をお持ちの方でもご入場をお断りすることがございます。また、混雑の予想される回(日時)は、当日券の販売はいたしません。
◆チケットの払い戻し、交換、再発行はいたしません。
◆各回、10分前開場を予定しております。
※会場整備の都合上、予定より前後する場合がございます。ご了承ください。
◆上映開始後のご入場は制限させて頂くことがございます。
◆未就学児のご入場はご遠慮ください。

女優紹介

リリアン・ギッシュ Lillian Gish

1893年、アメリカ・オハイオ州生まれ。母親は元女優。妹、ドロシー・ギッシュも女優。5歳から母妹と共に舞台にたつ。1912年、友人で女優のメアリー・ピックフォードの紹介でD・W・グリフィス監督と知り合い、その日の内にカメラ・テストを受けて妹と一緒に映画デビューする。惹き込まれるような美しい瞳を持ち、“映画の父”といわれるD・W・グリフィス監督と映画史に残る作品に主演しつづけ、“映画の女神”ともよばれる。アメリカ映画史上、サイレント時代の悲劇映画に欠かせない女優として人気を博した。しかし時代は肉体的魅力を持つ女優がもてはやされるようになり、次第に作品数は減るものの、30年代からはブロードウェイに新境地を得て、映画では脇役としてでも作品に出演を続け、70年にはアカデミー名誉賞受賞。
女優として75年に及ぶキャリアを誇った。ロマンスの噂もなく、生涯独身だった。

ジャネット・ゲイナー Janet Gaynor

1906年、アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれ。長くエキストラをしていたが、20歳の時『ジョンスタウンの大洪水』(26)で主演女優の座をつかむ。27年はフランク・ボーゼージ監督『第七天国』とF・W・ムルナウ監督『サンライズ』で絶賛された演技力を見せ、翌年、ボーゼージ監督『街の天使』と共に、第一回アカデミー主演女優賞を獲得した。これは86年まで最も若いアカデミー主演女優賞受賞者であった。サイレント時代のアイドル的存在として高い人気を誇り、30年代も主演映画はつくられ続けた。平凡な出来の映画のあと、ウィリアム・A・ウェルマン監督『スタア誕生』 (37)では持ち前の演技力により再び脚光を浴びる。
巧な演技力と愛くるしい容姿、チャーミングな声で、サイレント映画からトーキー映画に移る時代を生きぬいた女優。

マレーネ・ディートリッヒ Marlene Dietrich

1901年、ドイツ・ベルリン生まれ。演劇学校に入学した直後から舞台に立つようになり、23年『ナポレオンの弟』で映画デビュー。30年ベルリンの舞台に立っていたところを、映画演出のためにハリウッドから訪れていたジョセフ・フォン・スタンバーグ監督に認められ、『嘆きの天使』のローラ役に抜擢される。退廃的な魅力と抜群な脚線美、セクシーな歌声で劇中歌『フォーリング・イン・ラヴ・アゲイン』もヒットして世界的に有名になる。その後、ハリウッドに渡り、スタンバーグの元でその実力を開花させて行く。37年に母国からヒトラーの使者が現れ、ドイツ映画に復帰するよう説得されるが、ディートリッヒはこれを完全拒否したため、ドイツでは彼女の作品を焼却処分にしてしまったという。39年にアメリカ市民権を取得。第二次大戦勃発後は前線慰問や反ナチ運動に積極的に参加して47年にはアメリカ国民最大の栄誉である“自由勲章”を与えられた。92年、パリで生涯をとじる。死後、ベルリン中心のポツダム広場に隣接した広場が「マレーネ・ディートリッヒ広場」と命名された。
「100万ドルの脚線美」――その魅力から恋愛面でも著名な作家や人気俳優、作曲家と数々の浮名を流した。一度の結婚、一女あり。派手な人生に翻弄されながらも、信念を曲げず生き抜いた女優。

原 節子 はら せつこ

1920年、神奈川県生まれ。35年、日活多摩川撮影所に入社し、田口哲監督『ためらふ勿れ若人よ』(35)でデビュー。“原節子”の芸名は、この映画の役名“お節ちゃん”に由来する。日本にとって初の海外との合作映画(日独)・アーノルト・ファンク監督『親しき土』(37)でヒロインを演じる。戦後、黒澤明監督の『わが青春に悔なし』(46)、吉村公三郎監督作品『安城家の舞踏会』(47)等の傑作に主演。49年には木下惠介監督『お嬢さん乾杯』、今井正監督『青い山脈』、そして小津安二郎監督『晩春』の3作。51年には『麥秋』、成瀬巳喜男監督『めし』で各映画賞を総ナメにする。巨匠監督作品に次々と主演し、その類稀な美貌と気品で日本女性の理想像を示し世界的にも高く評価され、大女優としての地位を確立する。特に小津安二郎監督とはゴールデンコンビといわれ、53年『東京物語』など活躍が続いた。42歳の若さで引退。
女優生活28年、その出演作は100本を超え、未だに『日本一の美女』との誉れも高い伝説の女優。

アンナ・カリーナ Anna Karina

1940年、デンマーク・コペンハーゲン生まれ。17歳で主演した短篇が59年カンヌ映画祭で注目を集め、パリに出てモデルとして活躍を始めた。(“アンナ・カリーナ”はココ・シャネルがつけた芸名。)石鹸のCM映画で彼女を見たジャン=リュック・ゴダール監督から『勝手にしやがれ』の端役での出演依頼を受けたが、「私はヌードにはなりません」と断った話は有名。翌年『小さな兵隊』に主演。続く『女は女である』でベルリン映画祭女優賞を受賞して61年にゴダールと結婚。『女と男のいる舗道』の後、ゴダールとアヌーシュカ・フィルムを設立して(“アヌーシュカ”はアンナの愛称)、『はなればなれに』で出発。64年に離婚した後も、『アルファヴィル』『気狂いピエロ』とゴダールのミューズとして輝き続け、『メイド・インUSA』『未来展望』までゴダールの長短編8本に主演。アニエス・ヴァルダ監督「5時から7時までのクレオ」(61)、ロジェ・ヴァディム監督「輪舞」(64)、ジャック・リヴェット監督『修道女』(65)などに数多く出演。ヌーヴェル・ヴァーグ永遠のヒロイン。
いまなお、国際的な名女優としての活躍が続いている。

弁士紹介

得意分野は“明朗闊達・時代劇”“ロマンス活劇”
“ドラマチック・メロドラマ”
役者経験をいかした、ダイナミック・パフォーマンス
をご覧あれ!

活動写真 弁士
斎藤裕子(さいとう ゆうこ)

1981年5月 劇団ひまわり入団。定時制高校に通う傍ら、18期研究科を卒業。公演部昇格後は、舞台「小さい魔女」(主役)「くびなしほていどん」「オニの子ブン」等で、全国公演参加。 1988年に退団後は、劇団影ぼうしの客演として、中国・東南アジアアセアン5ヶ国へ、国際交流基金派遣公演。日本魔術団の、水芸・和妻公演に、マジックアシスタントやネタっことして活躍。その他、プロデュース公演や、全国の小・中・高校へ、巡回公演等に参加。88年に退団後は、劇団影法師の海外公演参加や水芸(和妻)のアシスタントを経て、2001年より活動弁士としてスタートをきる。澤登翠門下生。のらくろなどのアニメから鞍馬天狗などの時代劇まで、役者ならではの感性をいかした語り口で守備範囲は広い。 劇団ひまわり入団。公演部昇格後は、全国公演「小さい魔女」の主役等で活躍。
 1981年NHK「BSプレマップ新作海外ドラマ」等、マスコミにも登場。品川宿の「屋形船ライブ」はレギュラー出演。2007年7月には、インド・ニューデリーで開催された「オシアンズ・シネファン第9回アジア・アラブ映画祭」に於て活弁を披露した。

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