チケット情報
iichiko総合文化センター 1Fインフォメーション
チケットぴあ、ローソンチケット、大分合同新聞各販売所
一般:平成21年 6月13日(土) 備考:未就学児の入場はお断り。
託児サービス有(要予約。満1歳児から未就学児まで。有料:2,100円/人。9月4日(金)17時申込締切)
主催:財団法人 大分県文化スポーツ振興財団 共催:大分合同新聞社 後援:OAB大分朝日放送株式会社
問合せ先:財団法人 大分県文化スポーツ振興財団(TEL:097-533-4004)
坂田藤十郎が公演各地の皆様にお目見得のご挨拶と、今回の近松座公演、そして上方歌舞伎にかける思いを申し上げる一幕です。
亀屋忠兵衛(かめやちゅうべえ)は、相思相愛(そうしそうあい)の遊女梅川(うめがわ)を身請(みう)けするための前金を払いましたが、後金(あとがね)が用意できません。そこで梅川を通じて、抱え主の槌屋治右衛門(つちやじえもん)に、後金を待ってくれるよう頼みます。治右衛門はこれを了承しますが、同じく梅川を身請けしようとしていた丹波屋八右衛門(たんばやはちえもん)は腹を立ててしまいます。やがて八右衛門は、井筒屋のおえんや梅川たちを前にして、忠兵衛をこき下ろし始めます。
これを二階の座敷で聞いていた忠兵衛は、八右衛門の前に現れ、ふたりは言い争いを始めます。そうこうするうち忠兵衛が手にしていた公金の封が切れてしまいます。はずみとはいえ、公金の封を切ることは大罪で、忠兵衛は死を覚悟して次々と封を切り、この公金を梅川の身請けの金に当てます。
こうして、うちひしがれた忠兵衛は、梅川と手に手をとって、新町の廓から立ち去って行くのでした。
実際の公金横領事件を題材にしたこの作品は、上方歌舞伎を代表する作品で、近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)の『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)』をもとに作られています。忠兵衛が公金の封を切ってしまう場面は屈指の見どころで、この作品の通称ともなっています。
坂田藤十郎が見せる上方和事(かみがたわごと)の真髄をご期待下さい。
文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の霊獣である獅子の精は、千尋(せんじん)の谷(たに)に我が子を突き落とし、その試練にめげず駆け上がってきた子のみを育てると伝えられていますが、この様子を狂言師右近(きょうげんしうこん)と左近(さこん)が踊りで見せていきます。
やがて狂言師たちが立ち去って行くと、村の娘が修験者(しゅげんじゃ)のもとを訪ねて来て、田畑を荒らす獅子を封じるための祈祷(きとう)をしてくれるようにと頼みます。そして修験者が祈り始めると、獅子の精が出現する気配となるので、慌ててふたりはその場から逃げ出していきます。
そこへ親子の獅子の精が出現し、牡丹に戯れ遊びながら獅子の狂いを見せ、獅子の座に直るのでした。
勇壮な獅子の親子の姿を描いた舞踊の名作をご覧頂きます。
坂田藤十郎 さかた・とうじゅうろう
四代目 山城屋
昭和6年12月31日生まれ。二代目中村鴈治郎の長男。16年10月、大阪角座『嫗山姥(こもちやまんば)』の公時で二代目中村扇雀を名のり初舞台。平成2年11月歌舞伎座『吉田屋』の伊左衛門、『河庄(かわしょう)』の治兵衛で三代目中村鴈治郎を襲名。17年12月南座『夕霧名残の正月』の伊左衛門ほかで四代目坂田藤十郎を襲名。
片岡秀太郎 かたおか・ひでたろう
二代目 松嶋屋
昭和16年9月13日生まれ。十三代目片岡仁左衛門の次男。21年10月南座『吉田屋』の禿(かむろ)で本名の片岡彦人で初舞台。31年3月大阪歌舞伎座『河内山』の浪路で二代目片岡秀太郎を襲名。
坂東彦三郎 ばんどう・ひこさぶろう
八代目 音羽屋
昭和18年3月31日生まれ。十七代目市村羽左衛門の長男。弟は市村萬次郎、河原崎権十郎。25年6月新橋演舞場『寺子屋』の菅秀才で四代目坂東亀三郎を名のり初舞台。40年5月歌舞伎座『対面』の朝比奈で八代目坂東薪水(しんすい)を襲名。47年5月歌舞伎座『名橘(なもたちばな)譽(ほまれの)石切(いしきり)』の梶原平三で二代目坂東亀蔵を襲名。55年2月歌舞伎座『実盛物語』の実盛と『毛谷村』の六助で八代目坂東彦三郎を襲名。
中村翫雀 なかむら・かんじゃく
五代目 成駒屋
昭和34年2月6日生まれ。坂田藤十郎の長男。42年11月歌舞伎座『紅梅曾我』の一萬丸で中村智太郎(ともたろう)を名のり初舞台。平成7年1月中座『封印切』の忠兵衛ほかで五代目中村翫雀を襲名。
片岡愛之助 かたおか・あいのすけ
六代目 松嶋屋
昭和47年3月4日生まれ。56年12月十三代目片岡仁左衛門の部屋子となり、南座『勧進帳』の太刀持で片岡千代丸を名のり初舞台。平成4年1月片岡秀太郎の養子となり、大阪・中座『勧進帳』の駿河次郎ほかで六代目片岡愛之助を襲名。
中村亀鶴 なかむら・きかく
二代目 八幡屋
昭和47年6月18日生まれ。初代中村亀(き)鶴(かく)の長男。父方の祖父は四代目中村富十郎、祖母は初代中村鴈治郎の娘の中村芳子(よしこ)。51年12月南座『時雨(しぐれ)の炬燵(こたつ)』の伜(せがれ)勘太郎で本名で初舞台。平成2年国立劇場第十期歌舞伎俳優研修修了。3年1月伯父の中村富十郎門下となり中村芳彦を名のる。5年4月富十郎の部屋子となる。13年11月歌舞伎座にて『戻駕(もどりかご)色相(いろにあい)肩(かた)』の禿(かむろ)で二代目中村亀鶴を襲名。
中村壱太郎 なかむら・かずたろう
初代 成駒屋
平成2年8月3日生まれ。中村翫雀の長男。祖父は坂田藤十郎。母は吾妻徳彌。3年11月南座『廓文章』手代壱太郎で本名で初お目見得。7年1月大阪・中座『嫗(こもち)山姥(やま んば)』の一子公時(きんとき)で初代中村壱太郎を名のり初舞台。