平成26年度 文化庁劇場・音楽堂等活性化事業 邦楽のススメ! 第1弾 清元編

鑑賞する機会が少なくなった日本の伝統芸能に触れて、日本文化の素晴らしさを実感していただく講座つきの演奏会を、今年度も3回開催します。高校生以下の次世代を担う子供たちは参加料を無料とします。歴史ある日本の伝統芸能を見て・聞いて・体験して、日本の文化を再発見しよう!

清元(きよもと)とは?

 清元(きよもと)は今からちょうど200年前の1814年に江戸で誕生した、“浄瑠璃(じょうるり)”の中で一番新しい物で、1732年に創始(そうし)された「豊後節(ぶんごぶし)」の流れをくむ音楽です。“語り物(かたりもの)”と言われる“浄瑠璃”は語るように歌いますが、その中でも「清元」は軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ)と言われるように粋(いき)でいなせな語りを持ち味とします。歌舞伎(かぶき)の伴奏(ばんそう)音楽として発展してきた「清元」は現在も歌舞伎や日本舞踊の伴奏、また演奏のみの素浄瑠璃演奏会(すじょうるりえんそうかい)で頻繁(ひんぱん)に行われています。

清元(きよもと)の浄瑠璃(じょうるり)(歌)ってどんなもの?

 浄瑠璃(じょうるり)専門にする人を“太夫(たゆう)”と呼よび、三味線弾(しゃみせんひ)きと完全分業制になっています。最(もっと)も特徴的なのは“うみじ”という母音を伸ばす部分で、例ば「朝詣(あさまい)り」と語る場合「あさああ まぁぁいいぃぃいいい いーー りーー」となり、この部分に細かい節(ふし)が付きます。また、歌の部分の他に“台詞(せりふ)”もあり、太夫が歌舞伎役者(かぶきやくしゃ)のように語ります。そして歌と台詞の中間にあたる“いろことば”は強調したい部分によく使われます。

三味線(しゃみせん)は?


日本舞踊「三社祭」を舞台下手から見た所

 “棹(さお)”(指盤(しばん))、“胴(どう)”(共鳴(きょうめい)部分)、“ねじ”(糸巻き)で構成され、胴に象牙(ぞうげ)で出来た駒(こま)を掛(か)け、象牙の撥(ばち)で絹糸(きぬいと)で出来た糸(弦(げん))を弾きます。ヴァイオリンの様な長い弓を使う弦楽器と違い、打楽器のように短い音しか出ませんが、そこに“サワリ”という余韻(よいん)をつけるのが三味線弾きの腕の見せ所です。棹には押さえる場所の印が無いので、音だけで判断し、糸(弦)が伸びて音が狂うと演奏しながらねじを回して音を合わせます。

清元のユニフォームは黒紋付(くろもんつき)で、“山台(やまだい)”という少し高い台の上で演奏します。向かって右の3人が三味線。左の3人が浄瑠璃です。太夫は“見台(けんだい)”という漆塗(うるしぬ)りの台に床本(ゆかほん)という歌本(うたほん)を置きます。

清元 志寿子太夫 プロフィール

昭和28年東京都出身。

清元を、祖父で人間国宝の故清元志寿太夫と、父で人間国宝の故清元栄三郎に師事。

昭和48年 清元志寿子太夫の名を許され、帝国劇場「三千歳」にて初舞台。
昭和51年 東京芸術大学音楽学部卒業。
平成 8年 清栄会奨励賞受賞。
平成16年 東京芸術大学非常勤講師に就任。

国内外の歌舞伎公演のほか、舞踊会、テレビ・ラジオに出演する傍ら、全国各地にて弟子の指導にあたる。

公演名平成26年度 文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
邦楽のススメ! 第1弾 清元編


クリックすると
PDFでご覧頂けます
日時2014年11月8日(土)
時間開場13:30 開演14:00
会場iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ舞台上
出演者[浄瑠璃]清元志寿子太夫、清元一太夫
[三味線]清元延志寿佳、清元香葉
公演内容(計2時間予定)

演 奏:最初に演奏・技をご覧いただきます。
 ↓
お 話:演奏・芸・楽器のお話や解説を聞いていただきます。
 ↓
体 験:実際に体験していただきます。
 ↓
演 奏:最後に演奏・技をもう一度ご覧いただき、
    その芸の奥深さを感じていただきます。
料金高校生以下 無料(未就学児入場可)
保護者(1名につき)500円
一般 1,000円
チケット発売9月7日(日)10時
チケット申込み方法 ① iichiko総合文化センター 1階インフォメーションにてチケット購入。
② メール(emo-info@emo.or.jp)またはFAX(097-533-4013)で申込み。
 〈記入内容〉代表者氏名、参加人数(うち 高校生以下の人数)、連絡先
主催公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団 TEL 097-533-4004
助成文化庁