館長あいさつMessage

iichiko総合文化センター 館長 廣瀬祐宏

(公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団専務理事)

 いつも、iichiko総合文化センターをご利用いただきありがとうございます。

 当館は、平成10年9月に開館して以来、県民の皆さまに鑑賞の機会と発表の場を提供するなど多くの方に愛され親しまれてまいりました。大ホールのiichikoグランシアタは客席数1966席を誇りオーケストラはもちろんオペラやバレエなどの大規模公演に対応できる舞台・設備をもつ九州屈指のホールとして、また、客席数710席のiichiko音の泉ホールは、室内楽や独奏のクラシックコンサートに適した音響を重視した中ホールとして、それぞれ数多くの公演が開催されてきました。また、センター1階のアトリウムプラザは屋内のイベント広場として、大小の練習室等を備えた地下1階のスペース・ビーは日常の芸術文化活動や練習の場としてご活用いただいています。

 

 令和4年度は、令和5年度の天井耐震改修工事によるホールの利用休止の前年度にあたることから、例年以上に充実した自主公演と共催公演を行うこととしています。令和2年度はオペラ「トゥーランドット」、令和3年度はバレエ「くるみ割り人形」と大規模公演を開催し、令和4年度はオーケストラに注目して国内外のトップクラスのオーケストラの演奏をお楽しみいただきます。また、音楽に関わる大分県の歴史をコンセプトとした「西洋音楽発祥の地プロジェクト」では集大成となる創作舞台「ムジカと生きる」を11月6日に上演します。この公演は「東アジア文化都市2022・大分県」の閉幕行事となります。
 この他、古楽器アンサンブルのバッハ・コレギウム・ジャパンによるJ.S.バッハの「ブランデンブルク協奏曲の全曲演奏会」、小林道夫「チェンバロリサイタル」といったクラシックからミュージカルやジャズまで多彩で質の高い舞台公演を主催いたします。

 さらに、隣接する県立美術館と連携して「五感の翼」をキーワードとした「大分県芸術文化ゾーン」としての取組、ジュニアオーケストラの運営と定期演奏会の開催、学校にアーティストを派遣するアウトリーチ活動と子どもたちを自主公演へ無料招待する活動、さらに、社会人向けの西洋音楽史などの教養講座等、盛りだくさんに取り組んでまいります。

 

 この20年間で、文化芸術を巡る環境は、欧州の創造都市の取組や我が国での「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」の制定、文化芸術基本法の改正、大分県では長期総合計画に「芸術文化による創造県おおいたの推進」が掲げられるなど、文化芸術が活力ある地域社会の実現に寄与するように期待されています。iichiko総合文化センターもこうした社会的な役割を担えるよう、これまで以上に鑑賞の機会と発表の場を提供するとともに、感性と創造性を磨く機会を提供するなど人材育成と教育普及の新たな取組に挑戦してまいります。
 新型コロナの影響が続きますが、当館は皆様方を日常とは違った世界に誘い、夢や希望、明日への元気がもらえるようスタッフ一同取り組んでまいります。

 

 今後とも、皆様方のご来館を心よりお待ち申し上げています。

 

令和4年4月